ベースオイル粘度指数計算機
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粘度指数(VI)は、潤滑油の粘度が温度変化によってどの程度変化するかを示す重要な指標です。VIが高いほど、温度変化による粘度変化が少なく、多くの用途で望ましい特性となります。
歴史的背景
粘度指数という概念は、1920年代に自動車技術者協会(SAE)によって、潤滑油の粘度に対する温度の影響を定量化する方法として開発されました。当初は、VIが0(温度変化による粘度変化が大きい)の基準油と、VIが100(粘度変化が最小)の基準油の2種類が使用されていました。現代のVI計算はより複雑で正確になり、幅広い潤滑剤に対応しています。
計算式
計算には、100℃での粘度に基づいた経験的に導き出された定数を使用します。
\[ L = 0.8353 \times (\text{100℃での粘度})^{-0.146} \]
\[ H = 0.6189 \times (\text{100℃での粘度})^{-0.131} \]
\[ \text{粘度指数} = \left(\frac{L - \text{40℃での粘度}}{L - H}\right) \times 100 \]
計算例
40℃での粘度が150 cSt、100℃での粘度が10 cStの基油の場合:
\[ L = 0.8353 \times (10)^{-0.146} = 2.54 \]
\[ H = 0.6189 \times (10)^{-0.131} = 1.68 \]
\[ \text{粘度指数} = \left(\frac{2.54 - 150}{2.54 - 1.68}\right) \times 100 \approx 87 \]
重要性と使用事例
粘度指数を理解することは、温度変化にわたって一貫した性能が不可欠な自動車エンジン、産業機械、油圧システムなどの用途において非常に重要です。エンジニアや技術者が特定の動作環境に適した潤滑油を選択するのに役立ちます。
よくある質問
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粘度指数が高いことの意義は何ですか?
- 粘度指数が高いことは、温度変化による油の粘度変化が少なく、広い動作温度範囲を持つ用途でしばしば望ましいことを示しています。
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粘度指数に影響を与える要因は何ですか?
- 粘度指数は、主に油の化学組成とその添加剤パッケージによって影響を受けます。
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粘度指数と粘度単体はどう違いますか?
- 粘度は特定の温度での流体の流れに対する抵抗を測定するのに対し、粘度指数は温度変化に伴う粘度の変化量を測定します。