Dプライム計算機

背景

d'(dプライム)の概念は、第二次世界大戦中にレーダーやソナー技術の向上を目的として開発された信号検出理論(SDT)に由来する。心理学者はSDTを認知と意思決定の研究に応用し、人が信号(標的刺激)とノイズ(非標的刺激)をどの程度識別できるかを測定する。d'値は、正答率と偽陽性率を比較することで観察者の感度を定量化する。

計算式

dプライムは、正答率と偽陽性率に対応するZスコアを用いて計算される：

\[ d' = Z(\text{正答率}) - Z(\text{偽陽性率}) \]

ここで、Zは標準正規分布からのZスコアである。

計算例

正答率が85%、偽陽性率が15%の場合、Zスコアは次のようになる可能性がある：

\[ Z(\text{正答率}) = 1.036 \] \[ Z(\text{偽陽性率}) = -1.036 \]

従って、

\[ d' = 1.036 - (-1.036) = 2.072 \]

重要性と使用例

dプライム指標は、心理学、神経科学、医療診断などの分野で、知覚感度を測定するために一般的に使用される。これは、人がまたはシステムが正しい信号と誤警報をどの程度区別できるかを判断するのに役立つ。診断検査（例：MRIスキャン）の評価、人間の意思決定の評価、さらには技術システムにおける信号検出の最適化など、さまざまな場面で有用である。

よくある質問

1. 信号検出理論(SDT)とは何か？

   • SDTは、不確実な状況下での意思決定を評価し、信号（真陽性）とノイズ（偽陽性）を区別する枠組みである。dプライムはSDTにおける主要な指標である。

2. d'値が高いほど何を示すか？

   • d'値が高いほど、信号とノイズの区別における感度が高く、より多くの正解とより少ない誤警報を示す。

3. 正答率または偽陽性率が0%または100%の場合どうなるか？

   • 正答率または偽陽性率が正確に0%または100%の場合、Zスコアは未定義（無限大）になる。率をわずかに調整する（例：0.1%または99.9%）ことで、この問題を回避できる。

この計算機は、研究者や実務家がd'値を容易に計算し、検出感度のより正確な評価を可能にする。