ハッティ効果量計算機

背景

「ハッティ効果量」は、教育介入に関するジョン・ハッティの権威あるメタ分析に由来します。著名な教育研究者であるジョン・ハッティは、数千の研究を分析し、生徒の学習に最も効果的に影響を与える要因を特定しました。効果量（コーエンのdと表記）は、介入の影響の大きさを標準化して測定したものです。

ハッティは効果量を用いて、様々な教育戦略とその生徒の成績への影響をランク付けし、教育の文脈において0.4以上の効果量は平均以上とみなされることを明らかにしました。この知見は、教育者が高影響戦略を優先する上で役立ってきました。

計算式

効果量（コーエンのd）の計算式は次のとおりです。

\[ d = \frac{M{\text{post}} - M{\text{pre}}}{SD} \]

ここで：

• \( M_{\text{post}} \) = 事後テストの平均点
• \( M_{\text{pre}} \) = 事前テストの平均点
• \( SD \) = 得点の標準偏差

計算例

ある研究では、以下の様な教育プログラムを評価しました。

• 事前テストの平均点：60点
• 事後テストの平均点：75点
• 得点の標準偏差：15点

この式を用いると：

\[ d = \frac{75 - 60}{15} = \frac{15}{15} = 1.0 \]

これは大きな効果量を示しており、介入が大きな影響を与えたことを意味します。

重要性と使用事例

効果量は、教育介入の有効性を判断する上で非常に重要です。教育者や研究者は、効果量を用いて、様々な教授法の影響を客観的に比較することができます。例えば：

• 0.2 の効果量は小さく、わずかな効果を示します。
• 0.5 の効果量は中等度です。
• 0.8以上 の効果量は大きく、強い効果を示します。

ハッティの研究によると、生徒の学習に意味のある影響を与えるには、0.4以上の効果量が必要であり、これはしばしば「ヒンジポイント」と呼ばれています。

よくある質問

1. ハッティ効果量とは？

   • ジョン・ハッティのメタ分析研究に基づき、教育介入が生徒の成果に与える影響を定量化する尺度です。

2. ハッティによると、効果量の適切な値は？

   • ハッティによると、0.4以上の効果量は、生徒の学習に肯定的な影響を与えると考えられています。

3. 教育者にとって効果量はどのように役立つのか？

   • 効果量は、教育者が最も効果的な介入を特定するのに役立ち、データに基づいた意思決定により生徒の成績向上を図ることができます。

4. 効果量は負になることがあるか？

   • はい、負の効果量は、介入が基準値と比較して成果の低下につながったことを示し、負の影響を示唆しています。

この計算機は、介入の効果量を迅速に決定したい研究者や教育者にとって役立つツールとなり、教育におけるエビデンスに基づいた実践を促進します。