ランジュリエ飽和指数(LSI)計算機

背景

1936年、Wilfred Langelier博士によって開発されたランジュリエ飽和指数（LSI）は、水の炭酸カルシウム安定性を予測するために用いられる指標です。主に水処理、プール、工業システムにおいて、水が炭酸カルシウムを析出させるか、溶解させるかを評価し、スケール形成や腐食を防止するために使用されます。バランスの取れたLSIは、配管、ボイラー、プールへの損傷を防ぐために理想的な水質を確保します。

計算式

LSIはいくつかの水質パラメータを用いて計算されます。

\[ \text{LSI} = \text{pH} - (9.3 + \log{10}(\text{アルカリ度}) + \log{10}(\text{カルシウム硬度}) - \log_{10}(\text{TDS}) - 13.12 - \text{温度係数}) \]

ここで：

• アルカリ度はCaCO₃としてppm
• カルシウム硬度はCaCO₃としてppm
• TDSはppm
• 温度係数は華氏（°F）の水温に依存します。

計算例

以下の水質パラメータがあるとします。

• pH：7.5
• 全アルカリ度：100 ppm
• カルシウム硬度：200 ppm
• TDS：500 ppm
• 水温：25℃

1. 温度換算： \[ TF = (9/5) \times 25 + 32 = 77°F \] 温度係数： \[ (77°F - 32) / 10 = 4.5 \]

2. 飽和pHの計算： \[ 9.3 + \log{10}(100) + \log{10}(200) - \log_{10}(500) - 13.12 - 4.5 = 6.4 \]

3. LSI： \[ 7.5 - 6.4 = 1.1 \] これはスケール形成の傾向を示しています。

重要性と使用事例

LSIは様々なシステムにおける水管理において重要です。

• プール: バランスの取れた水は、プール表面のスケールや金属機器の腐食を防ぎます。
• 水処理場: 安定した水は、配管の腐食や配水システムにおけるスケール形成を防ぎます。
• 工業用ボイラー:適切なLSIは、加熱システムの長寿命化を確保し、ファウリングや非効率性のリスクを軽減します。

よくある質問

1. 適切なLSI値とは？

   • -0.3から0.3の間のLSIは、一般的にバランスが取れていると見なされ、水は腐食性もスケール形成性もありません。

2. LSIが高すぎる場合どうなるか？

   • 高いLSI（0.3より大きい）は、水が炭酸カルシウムの堆積物を形成し、スケール形成につながる可能性を示しています。

3. LSIを下げるにはどうすればよいか？

   • LSIを下げるには、水のpHを調整するか、カルシウム硬度を下げるか、全アルカリ度を下げることができます。

この計算機は、水システムにおける腐食とスケール形成の防止に役立つ、LSIを簡単に決定する方法を提供します。