レンズ厚計算機

背景

レンズ厚の計算は、眼鏡学とレンズ製造において極めて重要である。厚いレンズは薄いレンズよりも視覚歪みが大きく、審美的にも劣る傾向がある。高屈折率レンズ（屈折率が高い）の開発により、同じ光学パワーでより薄いレンズを設計することが可能になり、視覚の明瞭さとユーザーの快適性の両方が向上した。

計算式

レンズの縁厚は、以下の式で計算できる。

\[ \text{縁厚} = \text{中心厚} - \frac{\text{レンズパワー} \times \text{レンズ径}^2}{2000 \times (\text{屈折率} - 1)} \]

ここで：

• レンズパワー (P) はディオプトリー (D)
• レンズ径 (D) はミリメートル (mm)
• 屈折率 (n) は無次元
• 中心厚 (CT) はミリメートル (mm)

計算例

以下のパラメータを持つレンズを想定する。

• レンズパワー = -5.00 D (近視用)
• 屈折率 = 1.6
• レンズ径 = 65 mm
• 中心厚 = 2 mm

式を用いて：

\[ \text{縁厚} = 2 - \frac{-5 \times 65^2}{2000 \times (1.6 - 1)} = 2 - \frac{-21125}{1200} = 2 + 17.6 = 19.6 \text{ mm} \]

計算された縁厚は19.6 mmである。

重要性と使用例

レンズ厚は、視力矯正と審美性の両方において重要な役割を果たす。厚いレンズは、装着者の目の歪み、拡大、または縮小を引き起こし、美容上の問題となる可能性がある。特に度数の高い人にとって、薄いレンズはより快適で視覚的に魅力的な選択肢となる。縁厚を知ることで、眼鏡士とレンズメーカーは機能性、快適性、外観のバランスが取れたレンズを設計できる。

よくある質問

1. 屈折率とは何か、なぜ重要なのか？

   • 屈折率は、光がレンズ材料に入射するときにどれだけ屈折するかを示す尺度である。屈折率が高いほど、同じ光学パワーでより薄いレンズにすることができ、より快適でかさばらないものとなる。

2. 度数の高いレンズの厚さを減らすにはどうすればよいか？

   • 高屈折率レンズ材料と小さいレンズ径を選択し、非球面レンズ設計（厚さをより均等に分散させる）を検討する。

3. レンズ厚は視力に影響するか？

   • はい、特にレンズの縁に向かって、厚いレンズは視覚歪みを増大させ、明瞭度を低下させる可能性がある。高屈折率材料は、明瞭度を維持しながら厚さを最小限に抑えることで、この問題を軽減する。