浸透圧ギャップ計算機
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過去の経緯
浸透圧ギャップは、血液中の測定不能な浸透圧活性物質(例:メタノール、エチレングリコールなどの毒素)の存在を識別するために医療現場で使用される診断ツールです。その使用は20世紀から記録されており、主に中毒や代謝異常の疑いのある症例で使用されてきました。浸透圧ギャップは、原因不明の浸透圧不均衡の調査において重要な情報を提供します。
計算式
浸透圧ギャップは、測定血清浸透圧と計算血清浸透圧との差として算出されます。血清浸透圧の計算式は以下のとおりです。
\[ \text{計算浸透圧} = 2 \times \text{[Na]} + \frac{\text{グルコース}}{18} + \frac{\text{BUN}}{2.8} \]
\[ \text{浸透圧ギャップ} = \text{測定浸透圧} - \text{計算浸透圧} \]
ここで:
- [Na]は血清ナトリウム濃度(mmol/L)
- グルコースは血中グルコース濃度(mg/dL)
- BUN(血中尿素窒素)は血中尿素窒素濃度(mg/dL)
計算例
血清ナトリウム濃度が140 mmol/L、グルコースが180 mg/dL、BUNが28 mg/dL、測定浸透圧が300 mOsm/kgの場合:
\[ \text{計算浸透圧} = 2 \times 140 + \frac{180}{18} + \frac{28}{2.8} = 280 + 10 + 10 = 300 \, \text{mOsm/kg} \]
\[ \text{浸透圧ギャップ} = 300 - 300 = 0 \, \text{mOsm/kg} \]
重要性と使用場面
浸透圧ギャップは臨床現場において非常に重要であり、特に有毒アルコール(例:メタノール、エチレングリコール)の摂取診断に役立ちます。マニトールやプロピレングリコールなどの他の物質の検出にも使用できます。浸透圧ギャップの上昇は、測定不能な浸透圧活性物質の存在を示唆し、さらなる調査を促します。
よくある質問
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正常な浸透圧ギャップとは?
- 正常な浸透圧ギャップは通常-10〜+10 mOsm/kgです。この範囲外の値は、測定不能な物質の存在を示唆する可能性があります。
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浸透圧ギャップの上昇を引き起こす病態とは?
- 浸透圧ギャップの上昇は、有毒アルコール(メタノール、エチレングリコール)の摂取、糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、または腎不全を示唆する可能性があります。
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式中でグルコースとBUNを18と2.8で割る理由とは?
- この除算は、グルコースとBUNをmg/dLからmmol/Lに変換し、正確な浸透圧計算のためにナトリウム濃度の単位と合わせているためです。
この計算機は、医療従事者が患者の血清浸透圧を評価し、潜在的な代謝異常または有毒摂取を特定するのに役立ちます。