QTcF計算機
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QTcF(Fridericia式を用いた心拍数補正QT間隔)は、様々な心拍数に対する心臓のQT間隔を補正するために用いられる臨床ツールです。QT間隔は心臓の電気的活動を理解する上で重要であり、異常に延長したQT間隔は不整脈のリスク、ひいては突然の心臓イベントを示唆する可能性があります。QTcFの計算はFridericia式に基づいており、これは立方根の関係を用いて心拍数に対してQT間隔を調整します。
沿革
QT間隔は、心臓の心室が1回の心拍中に脱分極と再分極するのにかかる時間を表します。QT間隔が長いことは心臓疾患の兆候となる可能性がありますが、心拍数にも影響されます。異なる心拍数間でQT測定を標準化するために、Fridericia式(QTcF)やBazett式(QTcB)などの補正式が開発されました。1920年に導入されたFridericia式は、特に臨床心臓学において、徐脈や頻脈の場合のより正確な調整のために好まれました。
計算式
QT間隔を補正するためのFridericia式は次のとおりです。
\[ QTcF = \frac{QT}{\sqrt[3]{RR}} \]
ここで:
- QT はミリ秒(ms)で測定されたQT間隔です。
- RR は2回の心拍間の時間(秒)で、\( \frac{60}{\text{心拍数 (BPM)}} \)として計算されます。
計算例
患者のQT間隔が400ms、心拍数が75BPMの場合、RR間隔は次のようになります。
\[ RR = \frac{60}{75} = 0.8 \, \text{秒} \]
Fridericia式を適用すると:
\[ QTcF = \frac{400}{\sqrt[3]{0.8}} = \frac{400}{0.928} = 431.03 \, \text{ms} \]
重要性と使用場面
QTcFは、トルサード・ド・ポアンツなどの生命を脅かす不整脈のリスクのある患者の評価に、臨床現場で特に役立ちます。次のような場面で使用されます。
- QT間隔を延長する可能性のある薬剤の服用患者のモニタリング
- ロングQT症候群などの遺伝性疾患の評価
- 心臓イベント後の回復状況の追跡と潜在的な合併症の特定
Fridericia式は、極端な心拍数の状態では他の補正方法よりも好まれ、遅い心拍数と速い心拍数の両方でより高い精度を提供します。
よくある質問
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なぜQT補正が重要なのですか?
- QT間隔は心拍数によって変化するため、比較や臨床評価のために標準化することが必要です。
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いつBazett式(QTcB)の代わりにQTcFを使用する必要がありますか?
- QTcFは、心拍数とQT間隔の非線形関係をBazett式よりも適切に考慮するため、心拍数が高い場合や低い場合により信頼性があります。
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正常なQTcFとは何ですか?
- 正常なQTcFは、一般的に男性では450ms未満、女性では470ms未満とされています。これ以上の値は不整脈のリスクを示唆する可能性があります。
このQTcF計算機は、特に心臓電気生理に影響を与える治療法のモニタリングを行う際に、臨床医が異常な心拍リズムのリスクを評価するために不可欠です。